
国際結婚に必要な証明書の翻訳
国際結婚で必要な、戸籍・婚姻・出生証明などを差し戻しなく整える実務ポイントを行政書士が解説
【国際結婚の書類翻訳】戸籍・婚姻・出生証明まで | 行政書士が対応
【2026年1月21日更新】
国際結婚の手続きでは、「必要書類が“国・役所・提出先”で変わる」ことがあり、要件を見落とすと、翻訳を作り直す/追加で証明を取り直すロスが生じます。 婚姻手続きは、役所に婚姻届を出して終わりではありません。国によっては、婚姻後に相手国の登録、配偶者ビザ、氏名変更、海外の口座・保険・勤務先手続など、複数の提出書類が必要になります。
実務では、最初から「戸籍」「婚姻」「出生」「婚姻要件具備」などの周辺書類までを、提出先要件に合わせ“提出用セット”として翻訳・整形しておくことがポイントです。以下、手続きの分岐と書類の全体像を行政書士が解説します。
目次
1. 日本先行/海外先行で必要書類が変わる
国際結婚は、大きく2パターンに分かれます。
1-1. 日本先行:日本の市区町村に婚姻届を提出して成立させる
日本で婚姻届が受理されるルートです。この場合、相手(外国籍)の「婚姻要件(独身・婚姻適齢など)」を確認するため、 婚姻要件具備証明書などの提出が求められる運用が一般的です。
1-2. 海外先行:相手国の方式で先に婚姻を成立→日本へ「婚姻の報告」
海外でその国の方式で婚姻が成立したら、日本の戸籍に反映させるために「報告的届出」をします。一般に、婚姻証明書(原本)とその和訳、配偶者の国籍を証する書面とその和訳などが必要になります。
ポイント
「日本で先に結婚するか」「海外で先に結婚するか」で、必要になる書類の言語(英訳/和訳)と、証明(公印確認・アポスティーユ等)の要否が変わります。 まずはルートを確定させ、提出先(日本の役所/相手国の役所/大使館/入管等)の要件を整理して進めることが重要です。
2. 日本人側でよく出る書類(戸籍、受理証明など)
日本人側の書類は、提出先によって「戸籍そのもの」「婚姻の成立を示す証明」「身分事項」など、求められ方が変わります。
2-1. 戸籍関係:戸籍謄本(全部事項証明書)・必要に応じて附票など
海外提出用としては、戸籍謄本の翻訳・英訳が求められるケースが実務では多いです (配偶者ビザ、海外の婚姻登録、姓変更手続など)。
戸籍の英語翻訳サンプル | なないろ証明書翻訳

※本画像はサンプルであり、実在の戸籍謄本の英訳ではありません。
※本画像は2ページの戸籍謄本の1ページ目です。翻訳の納品時は最終頁の市区町村長の証明文・公印(押印)等も正確に翻訳します。
2-2. 受理証明:婚姻届受理証明書(必要な国・機関がある)
海外側の手続きで「Marriage Certificate(婚姻証明書)」と言われたとき、日本には国が一律に発行する“婚姻証明書”がないため、 代替として戸籍謄本、または、婚姻届受理証明書を翻訳して提出します(提出先によってはいずれかで足りる/別の証明が必要、などのケースもあります)。 なないろ証明書翻訳が関わったケースでは、戸籍謄本が多いです。
2-3. 海外先行ルートでの日本側:婚姻の報告に必要な和訳作成
海外で成立した婚姻を日本へ報告する場合、婚姻証明書(原本)と和訳、配偶者の国籍を証する書面と和訳の提出が求められるのが一般的です。 この「和訳」は、次章の“翻訳者要件”にも直結します。
3. 外国籍側でよく出る書類(出生証明、婚姻要件具備など)
外国籍側は、国ごとの制度差が大きく、提出書類がブレやすい領域です。日本先行/海外先行で典型的に出てくる書類を整理します。
3-1. 日本先行ルート:婚姻要件具備証明書がコア
日本の役所に婚姻届を出す場合、相手が「独身で婚姻できる」ことを示す書類として婚姻要件具備証明書が求められることが多いです。 ただし、発行主体(大使館/本国役所)や必要な認証(アポスティーユ等)は国によって異なります。
3-2. 海外先行ルート:婚姻証明書(現地発行)+出生・国籍関連がセットになりやすい
海外で婚姻が成立した場合、日本へ報告するために婚姻証明書(原本)と和訳、配偶者の国籍を証する書面と和訳が必要になります。 さらに相手国側の婚姻登録・姓変更・家族登録などで、出生証明書・独身証明・同意書など追加書類が必要になることもあります。
4. 公印確認・アポスティーユが絡むケース
国際手続では「その書類が真正であること」を示すため、公印確認・アポスティーユを求められることがあります。 翻訳は数日で用意できても公証とアポスティーユの取得に1-2週間かかることもあるため、翻訳と同時に「証明(アポスティーユ等)の必要性」を確認しないと、スケジュール通りになりません。
5. 翻訳者要件(署名・連絡先)と注意点
国際結婚の翻訳で重要なのは、「翻訳が正しいか」だけでなく、提出先が求める“翻訳の形式”を満たしているかです。 形式不備で差し戻されると、数週間単位でスケジュールが遅れます。line by lineの翻訳が重要です。
5-1. 日本の役所提出:訳文に“訳者を明らかに”が求められることがある
役所向けの訳文では、訳者の記名を求められる運用が見られます。安全策として、訳文末尾に訳者情報を標準装備するのがおすすめです。
- 訳文末尾に、訳者氏名(署名または記名)、連絡先(メール等)、作成日を入れる
- 原本の書式(項目・順序・番号)を可能な限り維持する
- 固有名詞(氏名ローマ字・地名・機関名)をパスポート等の表記に合わせて統一する
5-2. 海外の提出先:要件は国・機関でバラつく
国や機関によって、プロ翻訳が不要なケースもあれば、Certified Translation(翻訳証明付き)を求められるケースもあります。 「どこに出す書類か」ごとに、翻訳要件を切り分けるのが重要です。
5-3. 「まとめて依頼」が効くポイント
提出先が複数(日本の役所/相手国役所/大使館/ビザ申請先など)になりやすいのが国際結婚の特徴です。 最初から「提出先別のセット」で整えると、表記統一+形式統一ができ、差し戻し率が下がります。
6. 手続きが遅れる典型的なミスと回避策
6-1. ルートを途中で入れ替えてしまう
先に相手国で婚姻を成立させたのに、日本では日本先行の前提で書類を準備してしまう、などです。 最初に「婚姻が成立する国・方式」を確定し、報告期限まで含めが確認が必要です。
6-2. 翻訳の形式不備(訳者不明・署名なし・連絡先なし)
「訳者を明らかに」とされているのに訳者情報がない、和訳に訳者記名がない、などの不備があると受理されません。 海外の役所提出用は、翻訳証明書に訳者の情報(氏名・連絡先・日付)を記載します。
6-3. 婚姻要件具備証明書の“発行元”や“認証”を読み違える
国によって、大使館で出せる/本国役所のみ/追加で認証が必要、など、運用の差が大きいです。 提出先に必要書類を含めて確認することが確実です。
6-4. 公印確認・アポスティーユが必要なのに、翻訳だけ先に作ってしまう
提出先が「証明付きの公文書」を要求する場合、翻訳だけ完成しても手続は進みません。 “翻訳”と“証明(アポスティーユ等)”の必要性を早い段階で見極めます。
6-5. 期限(特に海外婚姻の報告期限)を見落とす
結婚・婚姻が海外先行の場合、期限が設定される運用があります。現地で婚姻証明書を受け取ったら、和訳作成 → 提出先確認 → 提出の順で早めに動きます。原本の再取得が難しい国もあるため、スキャン等による保管もおすすめです。
7. まとめ:国際結婚では、全体を俯瞰して手順を設計する
国際結婚の書類対応は、単発の翻訳では終わりません。日本先行/海外先行で必要書類が変わり、外国籍側は国ごとの制度差が大きく、 さらに翻訳形式(翻訳証明書の添付、公証・アポスティーユの有無)が国や手順によって異なります。
本項で解説した、確実な手続きを進めるための手順は以下の通りです。
- ルートを確定(日本先行か海外先行か)
- 提出先ごとに要件と必要書類を確認(翻訳証明、公証・アポスティーユの必要性も確認)
- 夫婦の表記を統一(氏名ローマ字・日付・地名)
- 役所提出は訳者情報を明示(必要なら翻訳証明)
- 証明(公印確認・アポスティーユ等)が必要か先に確認
この流れで必要書類を整えると、より確実に手続きを進めることができます。
なないろ証明書翻訳は翻訳実務経験が豊富な行政書士2名体制で運営し、翻訳の正確性のみならず、海外提出を見据えた形式面まで丁寧にチェックします。

