【海外相続・資産証明】不動産登記事項証明書の英訳|行政書士が全国対応
【2026年4月3日作成】
海外相続、国外の金融機関・裁判所提出、資産開示、移住・永住手続き、国際離婚・財産分与、海外の税務・コンプライアンス手続きなどで、日本の不動産を保有していることを示す資料として不動産登記事項証明書(全部事項証明書・一部事項証明書等)の提出を求められることがあります。
このとき、提出先から「Real Estate Registry Certificate」「Property Registration Certificate」「Land and Building Registration」などの趣旨で書類提出を求められても、日本の登記制度にそのまま一対一対応するとは限らず、次のような悩みが非常に多く見られます。
- 不動産登記事項証明書のどの種類を取ればよいか分からない
- 土地・建物で別々に必要なのか、まとめて足りるのか分からない
- 「全部事項証明書」と「現在事項証明書」どちらがよいのか迷う
- 権利部(甲区・乙区)や共同担保目録をどこまで訳すべきか分からない
- 英訳だけでよいのか、翻訳証明や認証(公証・アポスティーユ等)が必要か分からない
- 相続手続きで戸籍・遺産分割関連書類との整合をどう取るべきか不安
- 海外提出で急いでおり、差し戻しを避けたい
不動産登記事項証明書の英訳は、単に項目を英語に置き換える作業ではありません。
重要な点は、提出先が何を確認するか(所有権の有無、名義、不動産の特定、担保設定の有無、登記履歴の必要性など)を把握したうえで、必要な範囲の登記情報を、制度差が伝わる形で整えることです。
この記事では、不動産登記事項証明書の英訳が必要になる場面、証明書の種類の使い分け、どこまで翻訳すべきか、差し戻しを防ぐ確認ポイント、翻訳証明・認証要否の考え方、依頼時の流れを、行政書士の視点で体系的に解説します。

不動産登記事項証明書の英訳
海外相続・資産証明で提出に適した書類選定・翻訳範囲・認証要否を行政書士が解説
目次
1. 不動産登記事項証明書について
1-1. 不動産登記事項証明書の役割
不動産登記事項証明書は、法務局で管理される不動産登記記録の内容を証明する書類です。土地・建物ごとに、所在や地番・家屋番号、地目・地積(または建物の種類・構造・床面積)、権利関係(所有権・抵当権等)などが記載されます。
海外提出の文脈では、提出先が確認したいことは概ね次のように整理できます。
- 申請者(または被相続人)が日本に不動産を保有しているか
- どの不動産か(特定性)
- 名義人が誰か
- 持分があるか
- 抵当権等の負担があるか
- 現在の権利状態だけで足りるか、履歴情報も必要か
このため、提出先の目的に応じて「どの証明書を」「どの範囲まで」英訳するかが重要になります。
1-2. よくある誤解|「Property Certificate」=何でもよいわけではない
海外提出先から「Property Certificate」や「Proof of Property Ownership」と言われた場合、日本側でどの書類を出すべきか迷いやすいです。不動産関連では、次のような書類が混同される場合があります。
- 不動産登記事項証明書
- 固定資産評価証明書
- 固定資産課税明細(課税資料)
- 納税証明書
- 売買契約書
- 登記識別情報通知(※提出に不適切なことが多い)
提出先が確認したいのが「法的な登記上の権利関係」であれば、不動産登記事項証明書が中核資料になりやすいです。一方、評価額や課税額を見たいなら別書類が必要になることもあります。
1-3. 海外相続で特に重要になる理由
海外相続では、日本の不動産が相続財産に含まれる場合、相続人・遺言執行者・海外の弁護士・金融機関・裁判所等に対して、財産の内容を説明する必要が生じます。このとき、不動産登記事項証明書は日本不動産の存在と名義の基礎資料として使われることが多く、他の相続書類(戸籍、死亡証明、遺言、相続関係説明資料等)との整合も重要になります。
2. 不動産登記事項証明書の英訳が必要になる主な場面
不動産登記事項証明書の英訳は、相続だけでなく、資産証明・法務・税務・家族法分野まで幅広く必要になります。
2-1. 海外相続(遺産目録・財産開示・遺産分割関連)
被相続人が日本に不動産を有していた場合、海外の相続手続きで、相続財産の範囲や名義状況を示す資料として登記事項証明書の英訳が必要になることがあります。提出先が確認するポイントは、主に次のとおりです。
- 不動産の所在・特定
- 登記名義人(被相続人かどうか)
- 単独所有か共有か(持分)
- 抵当権等の有無
- 土地・建物の対応関係(必要な場合)
この場面では、土地と建物の登記をセットで提出する必要があるケースが多いです。
2-2. 海外の資産証明・コンプライアンス(KYC/AML)手続き
海外の金融機関、監査、コンプライアンス審査、投資関連手続き等で、資産状況の裏付け資料として不動産登記資料の提出を求められることがあります。この場合は、相続のような詳細履歴よりも、現在の名義・物件特定・担保状況の確認が主目的になることもあります。
2-3. 国際離婚・財産分与・家族法関連手続き
国際離婚や海外裁判所での財産分与・養育費・資産開示手続きの中で、日本の不動産の有無や権利状況を示す必要がある場合があります。この場面では、所有名義だけでなく、共有持分や抵当権の有無が争点になることもあるため、翻訳範囲の設計が重要です。
2-4. 海外税務・移住・永住審査での資産裏付け
一部の国・手続きでは、資産証明の一環として不動産保有状況の資料提出を求められることがあります。この場合、登記事項証明書だけでなく、評価証明や課税資料の提出が求められることもあるため、提出先の要件を見て「権利証明」と「評価証明」を分けて準備する視点が必要です。
3. どの証明書を取るべき?登記事項証明書の種類と使い分け
書類の選択は、受理される可能性に直接関わる重要な判断です。「登記簿謄本を取ればよい」と単純に一括りにはできず、提出目的によって適した証明書の種類・範囲は異なります。
3-1. 土地・建物は別物件として考えるのが基本
日本の不動産登記では、原則として土地と建物は別個の登記記録です。そのため、提出先が「家(不動産)」と一言で言っていても、実務上は次の確認が必要です。
- 土地の登記事項証明書が必要か
- 建物の登記事項証明書が必要か
- 両方必要か
- マンション等で敷地権・建物表示の確認がどう必要か
海外提出では制度差が大きいため、迷った場合は土地・建物をそれぞれ確認したうえで準備することが望ましいです。
3-2. 全部事項証明書が向いているケース
全部事項証明書は、現在有効な事項に加え、一定の履歴・抹消情報等を含む形で登記記録全体を確認しやすい証明書として使われることがあります(物件・記録状態により見え方は異なります)。実務上、次のようなケースで選ばれやすいです。
- 海外相続で権利関係を広めに示したい
- 提出先要件が曖昧で、後から「履歴も必要」と言われたくない
- 抵当権設定・抹消等の履歴が論点になりうる
- 海外の弁護士・裁判所に説明資料として使う
要件が不明確な案件では、まず全部事項証明書をベースに検討することが多いです。
3-3. 現在事項証明書等が向いているケース
提出先が「現在の所有名義・現在の権利状態」だけを確認したい場合は、現在事項中心の証明書で足りることがあります。たとえば、資産の存在確認や簡易なKYC資料として使う場合などです。ただし、提出先が後から履歴情報や抹消事項の説明を求めることもあるため、要件が曖昧なら全部事項証明書の方が安全なケースもあります。
3-4. 一部事項証明書を使う場面と注意点
一部事項証明書は、必要な範囲を絞って取得・提出したい場合に選択肢になりますが、海外提出では注意が必要です。
- 提出先が制度を知らず、「なぜ一部なのか」と確認されることがある
- 必要箇所の切り出しが要件に合っていないと再取得になる
- 相続・裁判・資産開示では全体把握が重視されやすい
4. どこまで翻訳する?提出に適した翻訳範囲の考え方
不動産登記事項証明書の英訳では、「全部を訳すのか」「権利部だけでよいのか」「共同担保目録まで必要か」など、翻訳範囲に悩む方が多いです。
4-1. 要件が不明確な場合は「表示部+権利部(甲区・乙区)を一式」が安全
提出先要件が明確でない場合、実務上は以下を一式で翻訳しておくことが確実です。
- 物件の特定情報(表示部)
- 所有権に関する事項(権利部甲区)
- 所有権以外の権利(権利部乙区)
- 附記・付記・変更・抹消等の関連記載(記録に応じて)
- 該当なし/空欄の扱いが分かる表示
提出先が見たい論点(所有権、担保、持分、変更履歴)が事前に読み切れないことがあるため、一式での準備が手戻りを防ぎやすくなります。
4-2. 表示部を省略しない方がよい理由
表示部は、権利部ほど目立たないため見落とされることがありますが、海外提出では非常に重要です。提出先は日本の地番・家屋番号制度を知らないことが多く、表示部がないと「どの不動産の話か」が伝わりにくくなります。特に次の場面では表示部が重要です。
- 相続財産目録との照合
- 海外裁判所提出
- 資産一覧との照合
- 土地・建物の対応関係の説明
4-3. 甲区(所有権)だけで足りるとは限らない
所有名義確認だけが目的なら甲区中心で足りるように見えますが、海外相続・資産証明では乙区(抵当権等)の有無が重要視されることがあります。「資産価値」や「負担の有無」が論点になる場合、乙区を省略すると後から追加翻訳・追加提出になりやすいです。
4-4. 共同担保目録・別紙・注記の扱い
記録内容によっては、共同担保目録や注記事項、付記・変更記録等が重要になることがあります。これらをどこまで翻訳すべきかは案件次第ですが、少なくとも存在自体が分かるようにしておくことが重要です。提出先要件が曖昧な場合は、
- 本文一式+関連目録の有無が分かる形
- 必要に応じて関連目録も翻訳
4-5. 「原文のレイアウト」と「意味の伝わりやすさ」のバランス
不動産登記事項証明書は定型様式で情報量が多く、原文レイアウトを完全再現するより、提出先が読み取れるよう整理することが重要な場合があります。そのため実務では、次のバランスが重要です。
- 原文の区分(表示部/甲区/乙区)を維持する
- 項目対応を明確にする
- 日本固有制度は用語を安定させる
- 該当なし・抹消済み等の状態が読み取れるようにする
5. 差し戻しを防ぐために確認すべき8つのポイント
不動産登記事項証明書の英訳は、制度差が大きいため、翻訳精度だけでなく「前提整理」が重要です。依頼前に確認しておきたい実務ポイントを整理します。
5-1. 提出先が確認したいのは「所有証明」か「資産評価」か「権利負担」か
整理すべき点は、提出先の目的です。
- 所有名義の確認
- 不動産の存在確認
- 持分の確認
- 担保・負担の有無
- 評価額・時価の確認(※登記だけでは不十分なことが多い)
- 相続財産全体の把握
この違いで、登記事項証明書のみで対応できるか、評価証明・課税資料等も必要かが判断のポイントとなります。
5-2. 土地・建物の両方が必要か確認する
提出先が「property document」としか書いていない場合でも、日本では土地・建物が分かれるため、どちらか一方だけだと不十分なことがあります。特に戸建てや相続案件では、土地・建物両方の確認が必要になりやすいです。
5-3. 最新版(発行日)でよいか、過去時点の証明が必要か確認する
海外相続や訴訟では、「現在の登記」だけでなく、一定時点の状態の説明が必要になることがあります。通常は最新の証明書を使うことが多いですが、提出先が求める時点があるなら事前確認が重要です。
5-4. 翻訳証明(Certified / Third-party Translation)の要否を確認する
海外の裁判所・金融機関・行政機関では、Certified Translation や Third-party Translation を求めることがあります。不動産登記は公的書類であっても、英訳の信頼性は別途確認されることがあるため、翻訳証明付きで準備した方が安全な場面は少なくありません。
5-5. 公証・アポスティーユ・領事認証の要否を確認する
翻訳証明が必要かどうかと、公証・アポスティーユ・領事認証が必要かどうかは別の論点です。案件によっては、
- 翻訳証明のみで足りる
- 原本(または原本写し)に関する認証が必要
- 翻訳文/翻訳証明書側の認証が必要
- 提出先ごとに認証対象が異なる
といった差があります。要件文の Notarized, Apostille, Legalization は、依頼時にそのまま共有することが確実です。
5-6. 相続書類・本人確認書類との整合性を確認する
海外相続では、不動産登記の名義人と、死亡証明・戸籍・パスポート・遺言等の氏名表記を照合されることがあります。日本語原文では一致していても、英訳時に表記揺れがあると確認事項になりやすいです。特に注意したいのは次の点です。
- 被相続人氏名の英字表記方針
- 旧姓・別表記の扱い
- 住所表記の方針(登記上住所 vs 現住所)
- 不動産の所在表記の英訳ルール
5-7. 画像・PDF品質(小さい文字・枝番・抹消線等)を確認する
登記事項証明書は細かい文字や数字が多く、少し不鮮明なだけで誤読リスクが高まります。
- 地番・家屋番号の枝番がつぶれている
- 持分割合が読めない
- 抹消・附記部分が不鮮明
- 共同担保目録の文字が小さすぎる
- 複数ページの順番が崩れている
5-8. 提出部数・提出形式(紙/PDF/原本提示)を確認する
提出先によって、
- PDF提出で足りる
- 紙の翻訳証明付きが必要
- 原本提示+翻訳提出が必要
- 認証済み書類の紙原本が必要
など形式が大きく異なります。翻訳内容だけでなく、提出形態まで確認しておくことで手戻りを減らせます。
6. 翻訳証明・認証は必要?考え方を整理
不動産登記事項証明書の英訳でよくある質問が、「翻訳証明だけでよいのか」「公証やアポスティーユまで必要か」です。ここでは論点を整理します。
6-1. 翻訳証明が求められやすい場面
次のような場面では、翻訳証明付きが求められやすい傾向があります。
- 海外の裁判所・公的機関提出
- 相続関連の法的手続き
- 金融機関・コンプライアンス審査
- 提出先要件に Certified Translation, Third-party Translation の記載がある場合
6-2. 翻訳証明付きで準備するメリット
翻訳証明付きで準備するメリットは、次のような点にあります。
- 誰が翻訳したかが明確になる
- 原文に忠実な翻訳であることを示しやすい
- 提出先が受理しやすくなる
- 他の相続書類・証明書と形式を統一しやすい
特に、戸籍・死亡証明・婚姻証明・不動産登記など複数書類を同時提出する案件では、翻訳証明付きで形式をそろえると全体の通りがよくなりやすいです。
6-3. 公証・アポスティーユ・領事認証は「どの書類に何を求めるか」で変わる
同じ「海外相続」でも、提出先の国・機関・手続段階によって、認証対象が異なることがあります。考え方としては、次を分けて整理すると分かりやすいです。
- 日本語原本(登記事項証明書)そのものに関する要件
- 英訳文に関する要件
- 翻訳証明書に関する要件
- コピー提出でよいか、原本・認証原本が必要か
要件文に Notarized, Apostille, Legalization, certified copy 等がある場合は、その文言をそのまま共有して判断することが確実です。
7. 行政書士に依頼するメリット|制度差を踏まえた適切な提出形式への対応
不動産登記事項証明書の英訳は、単なる翻訳作業ではなく、日本の登記制度を知らない提出先に対して、権利関係を誤解なく伝える資料を作る作業です。この点で、行政書士に依頼するメリットがあります。
7-1. どの証明書をどこまで用意すべきか整理しやすい
「土地・建物どちらが必要か」「全部事項にすべきか」「評価証明も必要か」といった段階から相談しやすいのは大きな利点です。提出目的(相続、資産証明、裁判、税務等)に応じて、必要書類の組み合わせを整理しやすくなります。
7-2. 表示部・甲区・乙区の意味を踏まえた翻訳範囲の設計がしやすい
登記事項証明書は、どこを省略すると意味が変わるかの見極めが重要です。提出先の目的に合わせて、過不足の少ない翻訳範囲を設計しやすくなります。
7-3. 相続書類・本人確認書類との整合を取りやすい
海外相続では、不動産登記の英訳単独よりも、次の書類との整合が重要です。
- 戸籍関係書類
- 死亡証明書
- 遺言書(ある場合)
- 相続関係説明資料
- パスポート/身分証明書
- 委任状・宣誓書等(案件による)
表記ルール(氏名、住所、不動産表示、日付表記)をそろえることで、確認事項を減らしやすくなります。
7-4. 翻訳証明・認証要否まで含めて段取りを組みやすい
「翻訳だけ先に作るべきか」「認証要否の確認を先にすべきか」など、段取りを誤ると二度手間になりやすい分野です。提出先要件に応じて、翻訳証明付きでの準備、必要に応じた認証手続きの整理まで見据えて進めやすくなります。
8. 依頼の流れ|不動産登記事項証明書を適切な形式で準備するには
実際に依頼する際の一般的な流れを整理します。急ぎの案件でも、最初に必要情報をそろえることでスムーズに進めやすくなります。
8-1. ステップ1|提出先・手続目的・要件文を確認する
確認すべき点は次のとおりです。
- 提出先の国・機関名(裁判所、金融機関、弁護士、行政機関等)
- 手続きの種類(海外相続、資産証明、訴訟、税務等)
- 確認したい事項(所有、担保、評価、履歴等)
- 翻訳証明の要否(Certified / Third-party Translation)
- 認証要否(Notarized / Apostille / Legalization)
- 提出期限
- 必要部数・提出形式(PDF/紙/原本提示)
要件文(メール・チェックリスト・指示書)は、そのまま共有できると判断が早くなります。
8-2. ステップ2|対象不動産を特定し、必要な登記をそろえる
対象不動産ごとに必要書類をそろえます。
- 土地の登記事項証明書
- 建物の登記事項証明書
- 必要に応じて関連目録・補足資料
- 評価証明等(提出先が求める場合)
相続案件では、被相続人名義の物件を漏れなく把握することが前提になるため、物件一覧の整理も重要です。
8-3. ステップ3|PDFまたは鮮明な画像を準備する
登記事項証明書は細かい記載が多いため、データ品質が非常に重要です。
- 全ページをそろえる
- ページ順を崩さない
- 小さい文字が読める解像度にする
- 共同担保目録等の別紙も含める(ある場合)
- 発行日が確認できる状態にする
8-4. ステップ4|翻訳範囲・表記ルールを確認して翻訳作成
翻訳作成時には、次の点を統一して整えます。
- 表示部/甲区/乙区の区分
- 不動産表示(地番・家屋番号等)の表記方針
- 氏名・住所の英字表記方針
- 持分・権利関係の表現
- 該当なし/抹消等の状態表示
- 原文との対応関係が分かる構成
8-5. ステップ5|翻訳証明書を付して提出用として仕上げる
提出先要件に応じて、翻訳証明(Certificate of Translation)を付した形で整えます。複数書類案件なら、戸籍・死亡証明・委任状など他の英訳資料と形式を統一すると提出先の確認がスムーズになりやすいです。
8-6. ステップ6|必要に応じて認証手続きの要否を確認・実施
認証が必要な案件では、どの書類に何の認証が必要かを整理したうえで手続きを進めます。ここを誤ると再取得・再作成になることがあるため、翻訳後の段取りまで含めて確認しておくことが重要です。
9. 依頼前チェックリスト|差し戻しを防ぐために最低限そろえたいもの
依頼に際し、事前に準備しておくことで手続きがよりスムーズになる事項をご案内します。
9-1. 依頼時に共有したい情報
- 提出先の国・機関名
- 手続きの種類(海外相続/資産証明/裁判/税務等)
- 提出期限
- 要件文(英語のままで可)
- 翻訳証明の要否
- 認証要否(Notarized / Apostille / Legalization)の記載有無
- 必要部数・提出形式(紙/PDF)
9-2. 送付する書類データ
- 不動産登記事項証明書(土地)
- 不動産登記事項証明書(建物)
- 関連目録・別紙(ある場合)
- 相続案件なら関連資料(氏名整合確認用)
- 併せて提出する他書類(必要に応じて)
9-3. 要件文にあれば必ず共有したいキーワード
- Real Estate Registry Certificate
- Property Registration Certificate
- Land Registry / Building Registry
- Proof of Ownership
- Certified Translation / Third-party Translation
- Notarized
- Apostille
- Legalization
- Full translation / complete copy
10. まとめ|不動産登記事項証明書の英訳は「提出目的」と「翻訳範囲設計」がカギ
不動産登記事項証明書の英訳は、海外相続・資産証明・法務手続きで非常に有用な一方、日本の登記制度と海外の制度の違いが大きいため、書類選定や翻訳範囲を誤ると差し戻しになりやすい分野です。
重要な点は、提出先が確認したいのが所有名義なのか、担保負担なのか、相続財産全体の把握なのかを整理し、土地・建物の別、表示部・甲区・乙区の構成を踏まえて、適切な形式で英訳を整えることです。
実務上のポイントをまとめると、次のとおりです。
- 「資産証明」と言われても、所有証明・評価証明・課税証明は別物
- 土地と建物は別登記である前提で確認する
- 要件が曖昧なら表示部+甲区+乙区の一式翻訳が安全
- 翻訳証明(Certified / Third-party Translation)の要否は早めに確認する
- 公証・アポスティーユ要否は翻訳証明とは別に整理する
- 相続書類・本人確認書類との表記整合が差し戻しの防止に有効
「どの登記を取ればよいか分からない」「土地と建物のどちらが必要か迷う」「認証まで必要か判断できない」という場合は、提出先要件と登記事項証明書一式(できれば土地・建物)をそろえ、お早めにご相談ください。事前に提出目的と翻訳範囲を整理しておくことで、再翻訳・再提出の可能性を大きく抑えることができます。
なないろ証明書翻訳は、翻訳実務に精通した行政書士2名体制で、海外提出を見据えた形式面まで確認のうえ対応します。公証・アポスティーユの取得および申請代行にも対応可能です。
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この記事の執筆者

コンサルティングファームで約8年の勤務経験。
経営・業務改善、情報システム領域の上流工程で培った要件整理・論点整理の力も活かし、実務に即して丁寧に翻訳・サポートします。



